【温故知新】 DUCATI・SUZUKI・MV AGUSTA

DUCATI:2017 SUPER SPORT / 1975 900SS

「 かっこよさ」と乗り味は正比例する
私にとってオートバイで大切なのは「かっこよさ」だが、不思議なことに見た目の良いオートバイは乗り味も良い。無論のことこの2台のイタリアンも例外ではない……

かっこよくないバイクなどカネをもらっても持ちたくない
私とドゥカティの出逢いはごく最近である。そのきっかけはインターネットオークションにバイクを出品した際、現れた買い手にMHRとの交換を持ちかけられた事だった。自分の「いつかは乗ってみたいバイクリスト」の何番目かにMHRは登録されていたが、「ドゥカティは壊れやすい」「ポジションがきつい」「調整が難しい」というネット情報から現実味のなかった「いつか」が突然やってきたのだ。「ここで乗らなければ一生乗らないだろう」と都合の良い自己肯定機能が正確に働き、MHRは我が家にやってきた。前所有者からは「絶好調ですから」と言われ、そこは「売り文句」として話半分で受け取り「しばらく乗ってダメならすぐに売ってしまおう」と思っていたのだが、エンジンをかけてみると確かに絶好調。そして走り出した最初の数十メートルで完全にやられてしまった。

SUZUKI:2017 GSX-R1000R / 1985 GSX-R750

不変のスーパースポーツ
世界で初めての大排気量レーサーレプリカGSX-R750と、その名前を引き継ぐ最新スーパースポーツGSX-R1000R。ヨシムラとともにGSX-Rでひとつの時代を築いた辻本聡が2台を走らせ、感じた温故知新とは?

「ポップヨシムラチューンは油冷最速だった」
レーサーレプリカ。
市販車とレーサーの垣根を無くすこの概念をビッグバイクに当てはめた世界初のモデルがGSX‐R750である。
フルカウルとアルミフレームという現代のスーパースポーツの要件を備えた市販車ということで言えば、スズキRG250Γが先がけだが、結果的にGSXRシリーズは、30年以上に渡ってスーパースポーツの核としてその名を継承し続けてきた。
そもそもGSX‐Rが世に登場した背景には、市販車ベースのプロダクションレース人気の高まりがあった。
ヨーロッパではのちの世界スーパーバイク選手権へと移行するTT‐F1が1977年にマン島で始まり、アメリカではTT‐F1より改造範囲の狭いAMAスーパーバイク選手権が1976 年に始まった。全日本ロードレース選手権シリーズでも1984年にフォーミュラ1(TT‐F1)クラスが2スト500㏄クラスなどに加えて創設された。
ヨシムラのGSX‐R 750を駆って1985年から2年連続で全日本TTF1クラスのチャンピオンを獲得し、AMAのスーパーバイクレースにも参戦したのが辻本聡である。当時、チャンピオン獲得記念モデルまで発売されるほどの旋風を巻き起こした辻本氏に2台のGSX‐Rを走らせてもらった。

MV AGUSTA:1975 750SS America / 2000 F4 / 2017 F3 800

深紅のボディに通じるものとは?
いつの時代もMVアグスタは特別なオートバイだった。では三世代のアグスタを乗り比べたら見えてくるものはあるのか?
そうして世にも贅沢な試乗が始まった。

どの時代に共通するのは官能的であること
MVアグスタ750Sアメリカに乗ったのは今回が初めてだった。手に触れたこともあったし写真撮影をしたことはあったけれど、エンジンをかけて走らせたことはなかった。恐る恐るセルボタンを押した瞬間、シートの上で飛び上がりそうになった。
撮影当日の現場では、近くで四輪の広告撮影が行われて大勢の人達が集まっていた。少し離れた場所でアメリカのエンジンを始動した瞬間、周囲にいた人達の動きが止まった。全員がこちらを見ている。別にそれほど大きな排気音なわけではない。しかしホルンのように美しくカーブした四本のメガボンマフラーが奏でる排気音は、周囲にいる乗り物好き達を全員釘付けにしてしまった。空冷4気筒の

排気音と言えば、特融冒頭に登場したCB750の素晴らしさも良く語られるけが、MVの凄みのある排気音はまさしくレーシングマシン。CBのそれとはまた別な次元にあった。

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